[HOME]
ミティラー美術館
目次
-06冬期美術館作業日誌-
〜豪雪と戦うスタッフと来日アーティストの奮闘記録〜







 昨夜(10月23日)、震度6強の地震が3度続けて美術館を襲い、轟音を伴いながら木造校舎が大きく揺さぶられ、何度も何度もきしみました。1回目の地震で、応接室のジャンガルシンの飛行機が描かれていた壁が崩れ落ち、かろうじてバランスを保っていたものも、2回目の大きな地震で倒壊し、隣の事務室と貫通しました。様々なララ・パンディットのテラコッタや作品も倒れ、あちらこちらの壁が崩れ落ちました。また建物と建物を結ぶ要所要所には大きな亀裂が生じ、所によっては空が仰げるところが出てしまった程です。事務室は足の踏み場がない状態になり、コンピュータも飛び、コピー機などは定位置から1メートル以上ずれました。そして書籍資料棚は全て倒れ、中身が床にたたきつけられました。スタッフが食事を取る部屋や台所も壊滅状態となりました。昨日は美術館に残っていたスタッフ松井と来日中のワルリー画の描き手サダシさんが無事に避難し、隣村の菅沼で一夜を明かしました。


壁の崩れ落ちた応接室
足の踏み場のない事務室
壁が崩れ外の屋根が見える


美術館の2004年10月24日午後2時現在の状況

 23日、24日に横浜山下公演で行われるディワリ・フェスティバルのステージ公演の為にゴティプア舞踊団・ラジャースターン舞踊団20名を関東へ引率していた館長は、地震のニュースを聞きつけると、急遽舞踊公演をスタッフに任せ、都内から駆けつけたHP制作者Rと宿舎の飯能を夜1時頃後にしました。地震により関越道「月夜野」ー「長岡」間で通行止めになっていたため、長野県経由で遠回りをしましたが、朝6時無事に十日町に到着しました。十日町の小学校で避難していた館長の息子Mと無事に合流しすぐに大池へ向かいます。途中菅沼橋という赤い橋を過ぎ登っていくと地面に大きな亀裂の入った所が3箇所程あり、先へ行けないかとも思いましたが、半強引に何とか菅沼までたどり着くことが出来ました。そこで避難していたスタッフ松井とサダシさん、そして番犬シルバーの無事を確認。そして美術館へと急ぎました。遠目に見る美術館は特に潰れていることもなく、ホットしたのもつかの間、美術館脇へあがる最後の道に大きな亀裂が入り、その亀裂がそのまま裏の崖へと繋がっており、もう少しするとそのまま崖へ崩れ落ちてしまうというような状況でした。昔からの強い作りで出来ている体育館はそれほど大きな被害を受けていないようでしたが、スタッフ用の玄関は窓ガラスを含む様々なモノが崩れ落ち、中へ続く廊下には一寸角材で作ったスパイス棚が崩れ落ち、そこに上に乗っていた重たいトヨが落ちて入ることすら不可能でした。この玄関は、この状況でどうやって残っていた2人が避難したのか、この地震の凄さを物語っているようでした。私たちは裏へ廻り、廊下の入り口から中に入って、一通り全ての部屋をチェックし、次の余震に備え、二階の制作室や美術館の作品を少し移動させたりしました。二階の制作室では展示用パネルが倒れかかり、かろうじて照明によってとめられていたり、ジャンガルシンやボーワ・デヴィーなどのボードの絵が斜めになっていたり、テラコッタがあちらこちらで壊れていました。美術館へ続く廊下では同じくパネルが斜めに倒れてきており、ショーケースが割れて崩れているといった状態。美術館正面にあるガンガー・デーヴィーの「クリシュナとラーダー」は真ん中が膨らんだ状態で倒れており、2年かけた大作ゴーダワリー・ダッタの「ダルマ」は外れて落ちている程度、シーター・デーヴィーの「クリシュナとラーダー」はほぼ無事でした。テラコッタの多くは破損してしまっていましたが、2階に展示していたニルマニ・デーヴィーのコレクションがショーケースの中で壊れずに残っていたり、無事だった作品もあります。


美術館脇の亀裂
スタッフ用玄関
壁・天井の落ちた階段
美術館へ続く廊下
コンピューター室




御礼















■協力要請■




美術館復興に向けての協力要請




地震発生以来、多くの方々から何か協力できることは、何か必要なものがあればという問い合わせのお電話、手紙等たくさんいただきました。地震発生から2ヶ月が過ぎた今も、美術館活動は中止し、復興のみにスタッフは力を注いでおります。そうした中、もしこういうヘルプや協力していただけたらと思うことも出てまいりました。ただ美術館としての活動ですので、個人で出来ることは限られていると思いますが、全国の様々な職業の方、公的施設、会社等からの問い合わせもあり、リストを並べてみますので、もし協力出来そうなことがありましたら、美術館までファックス(Fax.0257-52-6076)、あるいはメール(info@mithila-museum.com)にてご連絡下さい。よろしくお願い申し上げます。

車輌関係
1. 大型バックフォーについて
ユンボと呼ばれているこの重機は土台から外れた柱の戻し・傾いた小屋の戻し・家に向かって倒れかかった大木の撤去・除雪作業等、大活躍しておりますが、現在左側のキャタピラが油圧オイルを送り出すポンプの力不足か動きが悪く、作業が殆ど出来なくなっています。その修理、メカのアドバイス、他のユンボの提供など。

2.4tパネルバントラックについて
ナマステ等で活躍したこのトラックもブレーキ油の配管が腐食のため2カ所破れています。その修理。それに準じる車の提供など。
移動展覧会
平成17年度の公的機関や民間美術館等での美術展、舞踊公演等に対しての企画書を制作したり、送付したりすることが殆ど出来ませんでした。美術展は復興記念展として各地で開催したいと考えています。企画への協力。またインド文化庁派遣の舞踊団を5月、7月、10月に3つのグループを受け入れます。他に9月〜10月にかけチャルクラ・ダンス(ホームページ参照)を招聘する予定です。これらの舞踊団の公演、小・中・高・大でのワークショップの協力。
復興作業員
少し長期にわたって復興作業を協力してくれる男女。
雪掘り要員
美術館の様々な施設や倉庫、宿舎など雪掘りをすると1週間ほどかかります。その間復旧作業が遅れます。
テラコッタ修復
応接室の壁画やテラコッタが殆ど壊れました。その修復には時間と意欲がないと出来ません。








復旧ボランティア募集

期間
2005年1月〜2006年5月


条件
交通費自己負担。宿泊スペースは美術館提供。ただし暖かい毛布、
寝袋、シーツ、枕等持参願います。食事は菜食です。自炊型で食費(水光熱費・食材等含む)の原価は自己負担(1日1,500円、雪深い森のため、食材は美術館の方で購入)。
※注意:菜食のため、卵入りのクッキー等、食べられません。

内容

美術館再館に向けて美術館、収蔵庫、宿舎等の復興。
壊れたテラコッタの整理・展示。
掃除、ゴミ処理、復興記録、雪掘りなど。


問い合わせ
ファックス(Fax.0257-52-6076)にて、個人紹介・
得意なこと・希望する期間・連絡先等ご記入の上お送り下さい。
追ってご連絡いたします。


注意
現在も2メートル近い積雪があり、受け入れ人数には制限があります。また市内より美術館までの区間には雪の時危険な場所もあり、美術館の指示に従って下さい。復興作業は建物内でも暖房のない中行う作業も多く、暖かい格好や、着替え、防寒具等必要です。


余震も数が少なくなり、宿泊できる宿舎の整備も少しずつ進んでまいりました。美しい雪の森と厳しい自然の中での復興作業です。




資金面でご協力頂ける方
この度の被災状況は甚大であり、早急に復旧する必要があります。
皆様お一人お一人のあたたかいご支援をお待ち申し上げます。

第四銀行十日町支店 普通口座 1133578
口座名:ミティラー美術館





◆美術館への連絡◆


電話による連絡先
TEL: 0257-52-2396
FAX: 0257-52-6076


メールによる連絡先
info@mithila-museum.com

余震や作業場所により応対出来ないこともございます。
ご了承下さい。

ミティラー美術館
〒948-0018
新潟県十日町市大池






 (c) Copyright 1996/2006 Mithila Museum. All rights reserved.