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水道日誌◆
(by Stuff Mn)
最終更新日:2005.4.12
水問題を解決する奮闘の記録パート2

 こちらでは、水道日誌パート2の始まりから3月27日までの奮闘の記録を掲載しています。

パート2の始まり
(2005年3月15日)


 まずは・・・これまでの水道日誌を読んでいただいた訳ですが、読んでみてどうだったでしょうか?やたら長い文章で、何がなんだかよく分からなかったかも知れませんね。実際、作業をしてきたスタッフでもホームページで改めて読むと「ん?」となってしまう部分もあるぐらいの、それでもまとめている時は少しでもわかりやすく書いたつもりだったのだが、大変複雑な日誌となってしまいました。3月16日からの水道日誌パート2もまた、複雑になりそうです。
 今回の水道日誌は、水道関係だけでなく、森の(今は雪ですが、もう少しすると花粉かもしれませんが・・・)中にある美術館のリアルな生活背景がこの水道日誌から垣間見えてくるかも・・・しれません。




小水槽調べ
(2005年3月16日)


  館長と今後の復旧作業について、(ボランティアで手伝ってくれていた2人も帰ってしまった)これから、具体的に何をやっていくか話し合う。その中で、やはり水問題を解決することが先決だということになる。前にも書いたが、特に美術館の復旧作業を行うにあたって水がでないことは痛手。そこで、泥除けのために設置した小水槽を調べてみようということになる。そこは雪崩の危険があり、雪が溶けるまでは近づかないほうがいい場所。「危険だからやめてよ。なんかあっても助けられないからね。絶対行っちゃ駄目だからね。」と松井。そこで、まだ雪崩の危険の少ない、小水槽から貯水槽へ向かう新管を館長とMnで探すことに。大池はまだ3メートルもの雪が残っている。館長が、山の斜面の下の方に生えている木の所で管を見つける。木の枝が雪が積もるのを防ぐ、木の温かさで木のまわりの地面が溶ける、木の下が急斜面だからか、雪がおさまってきたのが最大の理由だろうが、木の地面には雪がなく、土が顔をだしていた。ふと、山菜が生えてたりしてと思ったが、やはりまだない。25ミリのポリ管は木の根元のそばの土から露出して通っている。その木から5メートル程小水槽よりの木で同じ高さに生えている木があるので、そこも管が露出しているか確かめる。管はあった。
 そこで土砂崩れが起きている所で、管が切れているとして、その先の所で管を探し出せれば、さっき見つけた管にジョイントできると考える。土砂崩れの場所から小水槽よりの所にそれなりの大きさの木がある、さっき同様土から露出しているかもしれないのでMnがスコップを片手にシルバーと共に向かう。多少木の根元周りの雪をスコップで開けるが、見あたらない。その木より上かもしれないと思い、探すが管はない。その間シルバーはMnの周りをウロチョロしたり、前に土砂崩れが起きた遠くの方へ行ったり、最終的には大池を一周するなど、思う存分探検する。人間だと雪に足をとられ、雪原を歩くとすぐにつかれてしまう。四つ足というか、シルバーの足腰の強さを改めて凄いなと実感する。
 途中、館長がユンボで助っ人に来る。といっても、Mnがいる場所は山の斜面のそれなりの場所、今にも壊れそうなユンボでは、すぐには上がれない。正面からなんてもってのほか。数十メートル手前の脇からバケットを使い、急な傾斜の山側斜面の雪を崩し、固め、斜面に対して90度の道を作りながら来る。その坂を、蒸気機関車のような真っ黒な煙を吐きながら、やっとのことで登る。車体の中からも煙が出ている。グニャグニャと曲がって車体の中を通って外に出ているマフラーは、また穴があいている。(館長はそれを2年前長い時間をかけて外して、鉄工所で溶接してもらったが、その時あまりにボロボロで溶接しようがない、また開くでしょうと言われていた。そばにある空気を吸い込むジャバラの管は今年の冬にやぶれたので館長が取り替えたばかり、それも本来の鉄の管ではなくホームセンターで買った、エアコン等に使うものだ。なんでも直せるものを自分で直さないと、こうした重機はプロに頼むと数万以上かかってしまう)
 坂が少し急になるとオンボロのユンボでは登れなくて止まる。すると車体を回転させて後ろのキャタピラの前に雪を積み、今度はバケット(手)を伝いキャタピラを上げたまま後ろに進み(バック)その雪の上にのる。次に車体を前向きにして上がる。登りの角度が少し小さくなるので、なんとか上がっていく。(上がる可能な角度の道を手で作ってから)本来なら、手を伝って雪にツメを立てキャタピラを雪の上に前進させながら手(手首も動かしながら)と腕(アーム)を手前に引くことで、車体を前へ引っ張り上げられるのだが、このユンボにはその力が無い。やっと現場へ到着し、3メートルの雪(斜面に積もっているため、実際の高さとしては軽く5メートル近い雪)の壁を崩しながらの作業。時間をかけて雪を取り除くが、管は見つからない。地面に埋まっているかもしれないと、地面もそれなりに掘ってみるがやはり出てこない。(ユンボの動きを見ているだけではもったいないので俺が3メートルの雪山をスコップで掘り始めたが地面は50センチ四方をあけるのが背一杯。)
 最初に見つけた、いちばん貯水槽に近い管を切ってみることに。水は、30秒ほどでていたが止まってしまった。(水はやはり来てなかった。)

実際はもっと凄い煙をだしていました…
 
 
今日の本音ついに来たよ〜小水槽調べ。さーて、見つかるんかなー。雪崩れ・・・ないよな?にしても、ユンボ大丈夫か!?黒い煙吐きまくってんじゃん!!館長は分かってるのだろうか・・・って火の粉??!!(暗くなって始めて分かったが、火の粉もかすかに飛んでいる。)




雪崩との戦い?!
(2005年3月17日)


 昨日に引き続き新管を探すが、なかなか見つからない。管が通っているであろう場所、縦8メートルの範囲では見つけることができなかった。位置は館長が着ていた、支援物資のフリースを昨日切った管の近くの枝につけてあったので、それを見ながら位置を想定して探したのだが、もしかすると、土砂崩れの際、管が切れ、土砂がかなり下まで引っ張っていったのかもしれない。
 ユンボが小水槽にそれなりに近い場所に来たことと、雪のしまり具合と、登り坂の道づくりが思ったよりも上手くいったので、このまま小水槽を探すことになる。以前、小水槽で作業をした時に撮った写真があったので、その写真から小水槽の位置をMnが割り出すように指示がある。館長はアザラシが雪の坂を登るように行ったり下がったりしながら上がっていく。今はまだ3メートル程の雪でどこもかしこも覆われている為、草で生い茂っている写真とはかけ離れ、探しづらい。ヒントとなるのは、山の上に生えている杉の木などの木しかない。それでも様々な角度から撮った写真から、ここだと思える所を一応見つける。そこに、ユンボの中にあったスコップと、車の上の雪を落とす道具を目印に立てる。その後、ユンボがその目印を目指して登り続けていると、雪崩が起き、スコップは雪で行方が分からなくなり、道具は10メートル下に押し流される。館長は、その時、キャタピラに片足を起き、どうするか一瞬様子を見たとのこと。
 大池の本村に向かう道が圧雪道だったのを開けるにあたって、赤倉の人が除雪をするので館長が見に行く。その時、小水槽を探している話題があがり、「雪崩に遭ったときには助けに来てくださいよ」と館長。「ちょうど、ここから長谷川さんが作業しているのが見えるから何かあっても大丈夫だこっつぉ。」
 シルバーを町に近い美佐島の駅でたまたま見つけた、仕事帰りの赤倉のKさんがわざわざ連れてきてくれる。復興作業を始めて5ヶ月近くなるが、何かと難しい問題にぶつかると彼の名前が誰とも無く出てくる。大工の見習いもしていたこともあり、美術館の土台作り(活動の基礎)の時に協力してくれた。展示パネルを60枚近く作り上げたり、ワルリーハウス・七郎さんの家の改修(七郎さんの家は仕事の都合の関係で途中のまま)等、美術館の施設は彼の手によってここまできたと言える。シルバーのおかげで地震後、初めてやってきたのである。みんなは大変喜んだ。大工関係の事を聞いていくと、参考になる話をいろいろ聞けた。

新管を探し求めて随分と高いところまできました

 
今日の本音んーと、この写真のこの木がそれで、あっちの木がこれだろ。そーすっと、角度的にここらか。いや、でもそれだとやけに高いし…んじゃ、ここか?春にならねーと分からねーよ!!!




ポリ管発見!
(2005年3月18日)


 今日は目印のたてたあたりをユンボと掘る。雪崩がいつ起きるか分からないので、スタッフRを雪崩監視役として現場近くで見守ってもらう。十数分後、ユンボが管を雪ごと引っ張り、発見する。管を発見と言っても、これが何の管なのかは私たちにも分からない。この管は50ミリのポリ管。一層の農業用タイプの薄い管で、土の中には埋めておらず、外に露出している。館長は「これは田んぼ用の水で、小水槽で溢れた水をもらっている管だろう」と。しかし、もしかするとこれが水源から小水槽へ向かう管かもしれない。ただ、そうなると土の中に埋めてないのはおかしい。ともかく、この管の先をたどることに。ユンボのバケットで3メートルの雪を切り崩し、その雪を180度回転して斜面に捨てる。雪を崩したことでさっきの管は完全に埋まってしまう。バケットで管を引っ張って切らないように、館長の指示で何度かスコップを使って管を出してやる。スコップで出す時でさえ、管を見失い全然違う場所を掘ったりしてしまう。(すごい規模の雪を崩すので、土がでていてもあっという間もなく雪だらけになり、とても難しい。手と言っても所詮ぎこちないロボットのようなもので、大きめに全体を削っていかないと手が雪の壁にあたって動かなくなる。)シルバーはユンボの手に向かって吠え続ける。危険を避け離れたり、また近づいたりしながら、でも自分に攻撃してこないことはよく知っているようだ。一緒に仕事(獲物に向かおうとしている気)できるから、シルバーは生き生きしている。
 2メートルほど進んだ所で、ユンボが管を切ってしまう。水はチョロチョロ出ている。ちょうどその近くにジョイントらしき金属があり、スコップで周りを掘ってみる。鉄のU字の杭のようなもので管を地面にとめてある、ということは、この管はもともと地面に露出していたことになる。そうなると田んぼ用の水の可能性が高くなる。

なぜかシルバーも一緒になって管を探しています

今日の本音っちょっと、Rさん、ちゃんと上見てて貰わないと、逃げ遅れちゃうじゃんか。シルバーは大丈夫だから、上も見ててよ。この管はたんぼ用か。そーだといいんだが。




小水槽発見!
(2005年3月19日)


 館長は、やはり、小水槽は昨日の管の先だろうと判断し、斜面の上に向かってユンボで掘る。昨日同様、ユンボが雪をどかし、人力で管の場所を確認し、またユンボが雪をどかす作業を繰り返し、少しずつ管をたどっていく。小水槽が見つかる。(現実は大変だった。山の上の雪の亀裂が大きくなっている。それが落ちるとユンボも埋まってしまう規模。雪崩が来たら、開けた雪の壁にぴたっとへばりついた方が逃げるのより安全かも、色々な意見が出る。館長は、毎日大池の斜面を見て雪崩の落ち具合や落ちそうにしている山にへばりついている雪のかたまりを比較しながら分析している。)水の量を量ると、1リットル/1分。

遂に!小水槽を発見しました!

今日の本音壁にへばりついても無理でしょ!?勢いよく雪崩りゃ大丈夫かもしれんが、そうじゃなきゃ簡単に埋まってしまうと思いまーす。1分間に、
わずか1リットル。でもこの1リットルが貴重。今さらだか、水は大切にしよう。




小水槽の発掘作業!
(2005年3月20日)


 小水槽は土に20センチ程、下に埋まっている。山側は1メートルを超える山となっている。つまり日々山は館長が言うように「山は海に歩いている」だ。これからの作業をするにあたって、まわりの土が雨などで崩れ小水槽のコンクリが割れている部分に流れ込む可能性もある、また作業もやりにくいので、周りの土をどかす。(土は固く、どちらかというと粘土質。近くは水を含むと崩れやすい土。美術館裏の崩れてきている崖と同じなのだろう。小水槽はしっかりとした粘土を含む、掘りづらい粘土質の所に埋めてある。)そんな作業をやっている時にユンボが小水槽のコンクリのフタまで掘って、少し壊してしまう(水槽側面)。その後は、より慎重に水槽の脇はスコップと唐鍬で掘る。天気がいいせいもあり、雪壁はどんどん溶ける。その雪溶け水が地面を伝い、ユンボで大きく掘った所へ集まってくる。水源から来ている水(小水槽の左2メートルぐらいの所の土壁から管が少し出ている)も加わって、泥沼というか、田圃のようになる。水の量は1.5リットル/1分(水源からの水は少しずつ増えている。)蓮沼が「田んぼの中みたいに足が取られ、長靴から足だけが抜けそう」とため息をつく。

雪崩は起きないだろうか…

 Mnが、月見亭に昼食は何時かと、電波が2本なんとか立つか立たないかの場所を見つけ携帯から電話する。この時点で12時45分過ぎ。1時か、それ以降にたいてい昼メシである。何度か挑戦して、声が聞き取りづらいながらも何とか会話できる。その時、松井から「今日お客さんが来るんじゃない?館長に迎えに行かなくていいの?って伝えてくれる?」と言われ、館長にその事を話す。館長はお客さんのことをすっかり忘れていた様子。ユンボのエンジンを止め、月見亭に駆けだして行く。その人の携帯に遅れるという電話をしてもらっている間に着替える。十日町駅に12時頃の約束が1時間以上も遅れて到着。迎えてから大池に来る途中「今にも雪崩が起きそうな雪山の上の方に、ユンボで上がって作業していたものですっかり忘れてしまって、すいませんでした。最近こんなことが起きていて、先日も大事な面会を約束したのにもかかわらず、すっぽかしてしまったんですよ。相手の方は15年以上一緒に文化活動等に協力して頂いている方なのですが、今までほとんど約束を守って、しかも時間前に行って待っていたりしてきたものですから、遅れるというのは何かあったのではいないかと携帯に何度も何度も電話されたそうなんです。今復旧でやっている仕事と、今までやってきた仕事とはかなりギャップがあって大変なんです」と館長が話すと、大池に着いて、山の上の方を見たI氏はこれじゃ無理も無いですよと言ってくれたそうだ。館長はI氏とインド大使館で2ヶ月ごとに開かれる、日本に進出している100数十社のインドIT関係企業が作っているITクラブのミーティングで知り合った。館長は新潟県で、ITセミナーを県主催で実現させるなど、特に新潟のIT企業とインドIT企業の交流を進めてきた。I氏はIT関係の会社社長で(インドのITが日本になかなか進出できない理由の一つに日本語によるインドのITの活用をしっかりとやらないと広がらないと考え、その推進のためのNPOを作っている。館長は心の問題、文化のことがあり、明治以来の西欧化の国策を明治維新規模で変えていかないとと考えていて、許された時間をそこに使っている。例えば、1ヶ月前新潟の若手女性国会議員が雪の森に夜、しかも水もない美術館を訪ねて来て、ストーブを囲んで話していたのも、後で聞くと、民主党本部に行って日本の国家戦略としてのインドに対する交流の推進を話し、本部にずいぶん前から働き始めた知人に話したことから、その方が行動を即、した結果だった。
 避難所の月見亭で二人は日本人がインドのITを使い切れない様々な理由や今後どうしたらよいかなど、政治や地方都市の問題等、熱心に話していた。I氏は待っている間、駅の立ち食いそばを食べたそうだ。館長は何も食べないまま話し続け、4時過ぎの美佐島駅の電車に合わせて送った後、大池に戻り、食事をする。

今日の本音あちゃーユンボさん、またやってくれましたね。誰が直すんだよ、そのフタ。あっしは知らないよ。自分が電話してなかったら、どうなっていたのだろう・・・I氏はずっと待ちぼうけ?



もう一踏ん張り・・・
(2005年3月21日)


 水源からの管と、小水槽の管から出ている新管をジョイントすることに。5年前に新管を配管した際、新管は小水槽の上の管(小水槽には上部に水の入り口、中段と下から5センチぐらいの所に下段の出し口がある)にジョイントしたと聞いていたこともあり、小水槽から2メートル分の管を土を掘って出すことに。すると、2番目の管は50センチもいかない所で切れている。(ということは水の出し口か、小水槽(高さ90センチ、直径60センチ)のフタの所に小さな水出しの切れ目があるが、機能しなくなっているので一番下の旧管の出口の途中から分岐させたのだろう。小水槽は水源から来る水に混じった泥などを取る役目と長い水管がどこかでつまったり、吸い込みが悪かったりした時にあふれるようにすることで、水源の水を管に引き込む部分が止まることを防いでいる。もっとも大事なことは、水源の所で水があふれかえり横穴に悪い影響を与えるないようにすること。)下の管が新管とジョイントされているかもしれないと考え、先をたどる。5メートルほど進んだところで分岐している。分岐している方は新しい二層ポリ管である。もう一つは古い管。この管が旧管という線が高くなる。
 この分岐している新管と、水源から来ている管を50ミリのポリ管でジョイントする。旧管にはさしあたり、水は送らない。この場所に来たときにユンボが途中で管を切ってしまった。その管を後で見つけやすくするために、5メートルほどの切ってしまって露出した管をぐるぐる巻きにして雪の中に埋めたものが、旧管だったろうと今では考えられる。水の量は2.25リットル/1分。
 16日にカットした25ミリのポリ管を見ると水がジョーっと出る。このことから新管は土砂崩れの被害を受けていなかったことが分かる。管をわざわざ200メートルも買わなくてすむ。(水が出ない場合は、山崩れの箇所のあたりに問題があると考えられるが、小水槽から山崩れまでの間を探すにしても時間がかかるので、水が少しでも出ているので、早く貯水槽に水を入れる為には200メートルの管が必要。土の中に配管されているので、今度もどこが切れているか分からないので、水を入れながら小水槽から辿っていくしかない。水道日誌の最初の頃は美術館、各家から水のこない原因を探していったのだが、今度はやっと、正攻法で探していける。)水が出ることが確認できたら、カットした部分をジョイントしたいところだがそうはいかない。土砂で管が下の方に引っ張られて、ピンと張っていた管を切ったため30センチほどの隙間ができている。そのため結合のジョイントを使っても管が届かない。
 その後、今度は貯水槽を探すことに。この冬何度か見に行った所だが、雪が積もり、また上から雪が崩た関係もあり、場所が全く分からない状況。ここ一週間(天気雨、天気あられなどはあったが)晴れていたため、雪がだいぶしまって固くなり、人力では雪を掘るのも大変。ユンボも出動し、目印となる石垣を探そうと、雪の壁を削る。ユンボのライトは壊れているので後ろから車でライティング。最初に出てきた壁は土。ユンボはさらに左側の雪壁を削り、アスファルト道路(9メートル)に雪を出し斜面を作って登る。とうとう左斜面の石垣を見つける。この石垣が10メートルぐらい続いて、その中間に貯水槽がある。ユンボはその後、道に出した雪を道の右側の3メートルの雪の壁の上にのせていく。懐中電灯と変わらないほどの上弦の月の中での作業。しかし、貯水槽は見つからない。


今日の本音月明るいなー星もよく見えるし、やっぱいい場所だなー大池は。あと3日ぐらいで満月かな。たまには月見でもしたいものだ。




貯水槽発見!
(2005年3月22日)


 朝から、昨日同様貯水槽探し。蓮沼が1時間半程して貯水槽を見つける。昨日、Mnが探していた場所から30センチほど道路側に貯水槽はあった。フタを開けようとするが、凍っていてあかない。お湯を取りにMnが月見亭に向かう。館長は25ミリのポリ管を買いに行く。(前もって電話をした時は25ミリのポリ管は切り売りできると店の人が言っていたのだが、実際は25ミリ以上は30メートル以上買わないといけなかった。買っても乗用車には入らない。困っていると、水道工事屋さんに行けばくれるのではと店の女性が言ってくれる。(その店の2人の若い女性が色々親切に教えてくれたので今までの水道作業がスムーズに進んだ。)そこで以前から水道を直してもらっている会社に行き、事情を話して1メートルの管をもらえることに。)俺は月見亭からの貯水槽へ向かう際、どのくらいの水が来ているのか新管のカットした場所で計ることに。3リットル/1分。この数字は19日の時の3倍である。その後、お湯で凍っている所を溶かしフタを開けてみる。水は2月2日に見た時と変わらない。
 館長が帰って来たので、早速カットした部分をジョイント。貯水槽の中へ水が流れる。館長は貯水槽の中に入り込んでいたコオロギ、カエルを取り除く。彼らは水の入らなかった貯水槽をねぐらにして寒い冬を乗り越えていたのだろう。しかしどこから入ったのだろうか。

今日の本音水の量がどんどん増えている。このまま、行けば、1週間もしない内にとてつもない量が出てくるのではないだろうか。ってか、そろっと水問題解決!?じゃ水道日誌も終わり!?もしかして・・・・(いえいえ、そんなことはないから安心しなさい。え?いい加減終わりにしてくれと?それは館長に頼みなさい。まぁ、これからも水道日誌、まだまだ続きますよ。)




水槽チェック
(2005年3月23日)


 朝、貯水槽をMnが見に行く。水は前に見た時と同じ水位まで溜まっている。(中へ入る梯子の1段目まで)丁度、その高さに各家・施設へ水を送る本管があり、そこへ水はどんどん入っていく。片手で梯子を掴み、長靴や自分が水に浸からないように気をつけて、もう片方の手で水が出ている場所へのばす。量は4.5リットル/1分。やはり日に日に増えている。

今日の本音ガーン。水が溜まっていない。何故?




水が!本管から出たよ!
(2005年3月24日)


 今日も朝から貯水槽へ水が溜まっているか見に行く。昨日と同じ水位。単純計算で6,500リットル近い水が本管へ入ったことになる。本管のだいたいの長さ、管の太さを考えると、明らかにどこかで管が切れて垂れ流しされていると思われる。
 Mnが、試しに月見亭の本管からの元を開けてみることに。(以前書いたが、今までは家庭用ポンプを使うために、元を閉めていた。)元を開け、洗面台で蛇口のコックを押す。・・・ブフォ…ボボッ…ドッ、ジャジャー、と空気の音がして泥混じりの水が最初出る。水が出たり空気が出たり何度か繰り返し、水の量も安定し出るようになる。これには、一同大喜び!
 美術館はまだ出ない。たぶん家の中の管のどこかで凍っているのだろう。教員住宅の水も出るか確認しに行くと、一部を除いて出る。

今日の本音・・・はは、やっと月見亭で水が出たよ・・・長かった。大池で風呂が入れるのはいつになるだろうか。




原因解明
(2005年3月25日)


 貯水槽に朝行くが、やはり水は溜まっていない。そこで、一番あやしい美術館体育館脇の足洗場の蛇口を見に行く。そこは2月の初め、佐藤とMnで水がでるか確認した所。雪掘りをした際、何度がユンボで辺りを掘ったにも関わらず、未だ1,5メートルほど雪が残っている。Mnがスコップで、蛇口の場所付近を掘る。だいぶ深く掘った所で、微かに水の出る音が聞こえてくる。もしや、と思い急いで残りを掘り返すと、案の定、蛇口から水が出ている。前回見た時に閉め忘れたのだろう。貯水槽の管から水が出ている量よりも、多少少ないのは否めないが。本管から田んぼに引っ張っている管があるのかもしれない、他にも蛇口の閉め忘れがあるかもしれない、本管が少し切れ漏れているのかもしれない。理由はいろいろ考えられるが、体育館脇の蛇口は閉めたのでこれからは貯水槽の水は溜まるだろう。

今日の本音おいおい、Mn、佐藤しっかりしてくれよ。




徐々に溜まる水
(2005年3月26日)


 貯水槽の水は溜まっている。朝の時点で貯水槽梯子の4段目まで。今度は旧管からの出口から逆流している。旧管も溜まれば、貯水槽いっぱいになるだろう。

今日の本音水が溜まっていて良かった。ま、もう大丈夫でしょう。




美術館からも…
(2005年3月27日)


 美術館の蛇口から水が出る。お湯も出る。

今日の本音これで復旧作業がはかどるだろう。ボランティアに来てくださった方も毎日水を月見亭からわざわざもっていかなくてもよくなるなー。美術館に関しては、正月ぶりに出たワケかー。長かったなー




パート2終了
(2005年3月27日)


 水道日誌パート2は、各家、施設で水が出た所で終わりにしたいと考えます。もう少し雪が溶けたら、壊れている小水槽直し、旧管の再配管など、まだ作業をしていかなければならない。作業が始まり次第、パート3を書いていこうと思います。



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