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スタッフ便り
・・・・最近のあれこれ・・・・
by T.S


  「冬」

 復旧作業は進んではいるのだが、どこもまだ中途半端である。教員住宅は石膏ボードを全て貼り終え、後はパテを塗ってペンキをする。流し台はまだ配水管を繋げていないので水は使えない。風呂場は石膏ボードを貼っただけで、その上に防水用のボードを貼る。未だに住むだけで、教員住宅で生活するのは無理である。美術館はだいぶ石膏ボードを貼り終え、ペンキを塗る段階に入っている。子供の部屋は塗り終え、棚等を元に整理して戻すのみである。おばあちゃんの部屋もペンキを塗り終え、畳を入れる所まできている。台所は外に面している壁等を全て解体。土日にこへび隊の方々がボランティアに来てくれた時は作業が進む。他の日は二人〜三人でやっている状態なのでなかなか進まない。
 今年は2月にラダック、4月〜5月にカタカリ、7月にクチプディ、9月〜11月初めまでゴティプアとラージャスターン、そして10月の地震以後の美術館復旧作業。これからもまだまだ復旧作業は続くが、一年が忙しなく過ぎていったという感じである。特に9月以降はあっという間に過ぎていった感がある。
 ここにいるとものすごい早さで過ぎていく時間とものすごくゆったりした時間が共存しているのを感じる。どちらも同じ時間とは思えなく、美術館の外と内では全く別次元の世界があるのではないかと思ってしまう。ここ2、3日は雪掘りに追われていた。雪をせわしなくスノーダンプで落としていっても、空を見るとゆったりと雪が降ってくる。
 雪はすでに1メートルぐらいは積もっているのだろうか。自分が泊まっている教員住宅に夜帰るとき、坂を歩くと膝上まで埋まっていく。道路は毎朝、除雪車で除雪されている。雪掘りの時の屋根から落とす雪が落ちたときの音に、夜教員住宅へ帰宅する時の雪を踏みしめる音に少し満足感を得る。
 年始ぐらいはゆったりとした時間の中に浸っていたいなと思っている。




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