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スタッフ便り
・・・・最近のあれこれ・・・・
by T.S


「7月10日」
 6月11日、約2週間あまりの日本での日程をすべて終え、セライケラ・チョウ仮面舞踊団が無事帰国していった。彼ら10人は私と同じ教員住宅と呼ばれるところで自炊しながら滞在していた。彼らは朝5、6時ぐらいから起き出して、喧嘩でもしているのかというくらい荒い大きな声で会話(?)している。夜は、私が帰る頃には皆鼾をかいている。たまに鍵を閉められて入れなくなることもあり、自分の部屋に帰るのに泥棒のように忍び込むこともあった。夜は仕事だったり、締め出されたりで何かと寝るのが遅くなるために朝はギリギリまでゆっくりと寝ていたいのだが、彼らのその会話のためか起こされてしまい寝不足の毎日であった。
 彼らが踊る時に着ける仮面が今、美術館の体育館(展示室)に置かれている。仮面はすべて天然素材で作られて、目と鼻の所にそれぞれ二つ小さな穴が空いている。自分で着けてみると、数分で息苦しくなってくる。こんな仮面を着けてあの激しい踊りを踊っているのかと思うと、今さらながらに改めて驚く。
 彼らが帰国して一ヶ月が経つ。大池の森は、梅雨のため雨がちらつくことが多い。しかし、時々みえる晴れ間はすでに初夏の暑さを帯びている。昼は様々な鳥たちの鳴き声が聞こえ、夕方になると、静かな大池の森にヒグラシの鳴き声が響きわたっている。夜、帰るときには一匹の蛍が小さな仄かな光を明滅させながら、飛んでいく。セライケラ舞踊団がいた時のあわただしい時間から一転して、自然のゆったりとした時間を感じることがあった。




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