仮面舞踊チョウはパリ・カンダ (パリは守護、カンダは剣の意) と呼ばれるマーシャル・アートから生まれたと言われ、様式化されたステップや身体の動きには武術の基本が見て取れます。また手の構えは攻撃あるいは防御に直ちに移れる位置にあり、防御や剣を使って行われるトレーニングから生まれました。
チョウとは仮面という意味があり、今日まで伝承されてきた3つのチョウ (プルリア、セライケラ、マユルバンジ) のうち、2つ (セライケラとプルリア)が仮面舞踊です。プルリア・チョウは西ベンガル州プルリア地方で演じられています。
仮面は粘土で原型を作り、その上に紙と布を粘土で幾重にも貼り付けて形を整え、乾燥させた後着色して仕上げます。仮面には、ごてごてした飾りは一切つけない。踊り手は、顔をぴったり覆った仮面の、鼻の位置に開けられた小さな二個の穴で呼吸し、両目のところに開いている二個の小さな穴を通してのみ外界と接します。踊り手の視界は極度に限定され、容易に非日常の世界へと現実が変わって、神と一体の世界が出現します。
プルリア・チョウの各演目に含まれる物語やテーマは、踊りの動作を通じてのみ描き出され、言葉を使わない演劇ともいえます。力強く陶酔させられるような打楽器の音楽に鼓舞されるチョウが繰り広げていきます。チョウで使われる楽器は、ドール(dhol)、ダムシャ(dhumsa、大太鼓)、ペプティ(pepti、シャーナイに似たリード付きの管楽器)とジャーンジ(janjh)などです。
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