カラリパヤットはインド・ケララ州に伝わる古代武術です。カラリパヤット、という言葉は、マラヤーラム語の「カラリ」と「パヤット」という2つの言葉の組み合わせです。「カラリ」は「戦闘の学校」を、「パヤット」は「様々な武器を用いた戦い」を意味します。カラリパヤットは、武具を用い、張り詰めた緊張感の中で行われる危険な格闘技で、熟練のカラリ行者であれば、敵の身体の一部を突くだけで、相手を殺害、または生涯癒えない傷害を負わせることができます。
カラリパヤットでは、人体には108の弱点が存在し、その内の12は極めて致命的な急所と考えられています。この武術は、他者のために身体と心と精神を鍛えることを目的としており、心と精神を制御して身体を、また身体を制御して心と精神をコントロールするという手法を用います。カラリパヤットを根底から支える特徴は、その高い身体能力です。中にはわずか5歳という若さからカラリ(道場)での修行を始める人もいます。創始者は聖仙アガスティヤムニであると考えられています。
仏教法典には、カラリパヤットは5世紀に盛んになったと記されています。禅宗の創始者であるボーディ・ダルマ(達磨大師)は、当時トランヴァーンコールと呼ばれていたケララ州の最南端を訪れ、長期間滞在したとされています。ボーディ・ダルマは、そこでカラリパヤットに出会い、後に、仏教の布教活動をしていた弟子にカラリパヤットの技術を伝えました。インドで弟子を教えた後、ボーディ・ダルマは中国の小林へと渡りそこでもカラリパヤットを教えました。現在では少林寺拳法として知られています。また、空手や古武道、カンフー、柔道といった近代武術の全てがカラリパヤットから発達したと考えられています。
J B R Kalari Sangamの師匠、シュリ・バルラジ・グルカルは30年以上に渡り後進の指導に尽力してきました。グルカルは血行を促進するリラクゼーションマッサージや痛みの除去やパンカチャルマ治療を行うマルマ治療の技術者、そして優れたヒーラーでもあります。
|