プリーという町は、ヒンドゥー教の4大聖地の一つに数えられますが、中世の頃、イスラームの侵入に対抗するために、町のあちこちに道場が作られ、少年たちはヨーガや武術を習うようになりました。武術の基本に従って作られる高度な技をバンダといいますが、それを駆使して踊るバンダ・ヌリトゥヤという純粋舞踊が、巫女さんたちの踊りに変わって奉納舞踊として行われるようになりました。
バンダ・ヌリトゥヤでは、私たちも知っているブリッジや逆立ちなど、さまざまなヨーガのポーズが、太鼓のリズムに合わせて披露されます。基本形から、変化形へ、そして白鳥や孔雀や舟など、難しいポーズも出てきます。バンダ・ヌリトゥヤは、体の柔らかい少年時代にしかできないといわれるのですが、さらに難しいポーズを組み合わせて、クリシュナとラーダの二人が寄り添う姿や、ガルーダという聖なる鳥の背に乗るヴィシュヌ神、クリシュナ神が大蛇と戦って大蛇の頭の上に乗る場面やクリシュナ神がダッチャの大きな木の上に立って笛を吹く姿などが表現されます。