今月の一作品

2005年5月

ガネーシャ

「ゴーダナ画」
 作者不明
縦×横センチ

*絵をクリックすると拡大図がご覧頂けます*

  ゴーダナ・ペインティングは、村では階級外とされているハリジャンのドゥサーツ・コミュニティが主に描いている。ミティラー画がインドで注目されるようになった時、近くの村に住むハリジャンのリーダーが絵を描くことを薦め、後に点画とも呼ばれ、ハリジャンの独特な絵が生まれた。現地に行くと彼らの住む土壁の外側には点のようなものをいくつも使って蕨文様やラインが描かれている。魔よけの意味がある。その点を多く使うのでハリジャン画は点画と分類された。その内、この絵のような刺青画が表れた。ネパールの方からやってくる刺青(刺青師は女性)を生業とする人に紙を渡し、ハリジャンのリーダーは40枚近く描いてもらった。それを元に刺青画を(ゴーダナ・ペインティング)はじめた。そのリーダーからその時のオリジナルの絵があるというので30枚近く購入した。この絵はその一枚。これが無くなると困るんじゃないかという質問に彼は笑って、また書いてもらうからと言った。
 それらの絵には不思議な造形や神話にも関係するような人らしきものが描かれている。ヒンドゥの世界でカーストの外に置かれるということはかつて戦いがあり、負けて奴隷になった人々もいるのだろう。彼らはラージャサレーシュという王の物語という民族神話を持っている。
 ヨーロッパほどの面積がインドにはあると言う。アジアでは最も古いこの国の歴史を見ていくと、国とは、国民とはという世界の範囲があいまいになる。





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