今月の一作品

2005年3月

田圃の仕事と村の行事

「田圃の仕事と村の行事」
 ジヴヤ・ソーマ・マーシェ
縦182センチ×横364センチ

*絵をクリックすると拡大図がご覧頂けます*

 この作品は、大阪の港にあるATCエイジレスセンター(横浜のランドマークタワーと同じような建物)で展覧会を開催した時(1996年)に描かれたもの。
 天声人語を書かれていた朝日新聞の元編集委員からの話で展覧会が実現した。
息子のサダシと一緒に、知人の紹介で高槻市の飲み屋さんの二階を間借りさせてもらって、1時間以上もかけて電車を乗り継ぎ、スタッフとともに1ヶ月近く通った。途中自分達だけで通えるようになった。このときジヴヤは非常に元気で創作意欲に燃えていて、あっという間に大作を描きあげ、200キロ位あるコンクリートの擬似壁や、モルタルを塗らないで合板のキャンバスに塗料を塗った、この絵のような巨大なキャンバスを何枚も用意しなければならなかった。息子のサダシも同じスピードで描き上げて、ワルリー画が爆発し、次から次に生まれた。いろいろなタイミングや環境がそうさせたのだろう。この時に生まれた最も大きな作品がこの絵だ。さまざまな儀礼や行事、またワルリーの田圃の仕方がよく描かれている。村に住む悪霊や霊など、ジヴヤの表現を通して彼等のコスモロジーの世界に私たちは少しだけ入っていくことができる。
詳しい作品内容は図録「インドの先住民族ワルリーの絵画」を参照





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