今月の一作品

2004年10月

5人の兄弟と一人の娘

「5人の兄弟と一人の娘」
 サダシ・ジヴヤ・マーシェ
縦94センチ×横170センチ

*絵をクリックすると拡大図がご覧頂けます*

 この絵の内容はキャプションが説明しているストーリーを読んでください。
今年で日本に来て6回目になるサダシさんはゴルカナさんと共に美術館のスタッフ並に、あるいはそれ以上によく一緒に協力してくれます。例えば、福岡のアジアフェスティバルにみんなで出発する前、夜の暗い中、懐中電灯を持って大池の本村にある倉庫として使用している家にナマステ・インディアの大きな看板類を取りに行く。あるいはゴティプア舞踊団を静かに見守りながら全国への公演など、いろいろなサポートをやってくれている。相当昔話を知っているらしく、面白い題材のものを選んで描く。空から投げられた布に登っていく娘と見守る5人の兄弟。天空にいる神は助けた娘を車のような乗り物に乗せ、地上に降ろそうとする。不思議な形をする車で今度は彼女を大地におろす。




【キャプション】
 娘が川の上流で沐浴中、抜け毛が下流に流れていった。下流で沐浴していた娘の5人の兄弟はその抜け毛を拾い、自分の背丈ほどもある美しい髪の持ち主と結婚すると心に誓った。娘はそれを知り、泣きながらサードゥー(僧侶)に相談した。僧侶は2粒の木の種(菩提樹の種)を娘に与えた。「井戸の周りに植えなさい。どうしても結婚を迫られたら、木に登ってにげなさい。」結婚を迫られるようになった娘は、大きくなった木に登り、村人や兄弟の呼びかけにも降りてこようとしなかった。村人たちが木を切り倒そうとしたため、神は見かねて自分のパグリー(男性が頭に巻きつける5m程の布)をほどくと娘を天上へ引き上げた。5人の兄弟が全員結婚した一年後、神は娘を家に送り返し、兄弟同士で結婚することはなかった。









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