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今月の一作品
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「両性具有のシヴァ」
ゴーダーワリー・ダッタ 横96.8センチ×高さ128.1センチ |
村落の婦人たちが描くミティラー画には彼女たちのキャラクターというものが実によく表れている。ゴーダーワリー・ダッタは儀礼に対する知識や伝統に熟知していて、かつ知的な側面を持つ婦人。高校や大学でも絵画を教えたり、村の子どもたちにも教えたりしている。 この作品は1989年頃のもので、日本に6回ほど訪れた。二度来日して1枚書くような絵を3点残している。その巨大な新しい絵画の始まりであった「チャクラ」を描いた頃の絵だ。巻き髪から流れ落ちるガンジス川の女神。ヒマラヤそのものにも思えるシヴァ神の頭飾りは2日目の月。破壊の象徴であるシヴァ神は、額に灰で3すじの線を塗る。ヒマラヤで瞑想するシヴァ神はその妻パールヴァティーと共に山岳信仰の象徴と思える。3月末〜4月にかけての暴風雨の破壊力。世界で最も高い山々こそシヴァ神そのものだ。 |
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