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2000.12.02

ミティラー民俗画展・企画書

*CONTENTS*

展覧会場・イベントの様子
ミティラー画とは
ミティラー画の特徴
ミティラー画の歴史とその後
ミティラー美術館の概要
展覧会中の催し
実際に展覧会を開催するための準備
今まで開催した主な展覧会

展覧会の様子・期間中のイベント


会場風景

ミティラー画描き手実演

会場風景

ミティラー画教室

竹の筆、煤、花汁等を使う

ミティラー画描き手とともに描く

北インド家庭料理教室

スパイスの使い方

素朴な家庭料理を体験

女性たちによって3000年にわたり伝承されて来た壁画が現代アートとして再生した
   

 ミティラー画は、インドの東北部に位置するミティラー地方で母から娘へと3000年にわたって伝承されてきた壁画です。筆には竹の棒を使い、黒色はランプの煤、赤は木の実、茶色は赤土、黄色はうこん、緑は草など、身近にある自然の画材で民家の土壁に描きます。気が遠くなるほど複雑で細かな線描画を、女性たちは家族の幸せや、豊穰などを祈って、太陽や月という自然神やヒンドゥー教の神々の神話を、時を忘れて表現していきます。
 1967〜68年のビハール州の飢饉に端を発した、女性の自立のための美術運動によって、伝統に基づいた新たな美術や造形が世に送り出されました。伝統的な壁画が、紙の上に描かれ多くの人々の目に触れることにより、芸術として評価され、さらに新た
に創造された作品が次々と生まれ、世界的評価を得るに至ったのです。(詳細はミティラー画の歴史を参照)

ミティラー画の魅力

 構図と色彩に特徴のあるミティラー民俗画は、気負いがなくのびやかで、屈託がない。モダンアートを思わせる鮮やかさと大胆の中にも、繊細な情感を漂わせる魅力は『女から女への伝承』を思わせる。
彼女たちの絵画は、年々新たな創造が加えられ、生きている民俗画となっている。豊かな伝統と儀礼に基づいて描かれる絵画は、「自然・宇宙との深いコミュニケーションを持つ文化」であり、祈りのコスモロジーともいうべき世界を持っている。
 
 高度な技術や知識を追い求めてきたテクノロジーの物質文明社会において、捨て去られてきた、豊かな精神性がこの絵画の魅力となっています。 世界的にも評価を受けつつあるこの絵画は、日本のミティラー美術館の国際文化活動とともに発展を続け、『ミティラー民俗画展』はこれを全国に公開する貴重な機会となります。 
 
ミティラー画の発見とその後の歴史
 
1934年、ミティラー地方はマグニチュード8.4という大地震にみまわれ、2万人の死者を出した。当時、イギリスの地方行政官であったW.G.アーチャーは、崩れた家の土壁から神秘的な壁画と出会う。その後、機会あるごとに村落を調査、研究し、雑誌等に発表した。
 時代を経て、1967〜8年に当地を襲った飢饉に、インディラ・ガンジー首相の命を受けて現地救済に向かったのは、全インド手工芸局長のププル・ジャヤカル女史('88インド祭インド側諮問委員長・文化遺産関係首相顧問)だった。アーチャーと手紙のやりとりをしていた女史は、この壁画の美しさと芸術性を高く評価し、紙や布をミティラーの婦人たちに提供し、マドゥバニにインド政府手工芸局の事務所を開設した。 その後、この絵画に魅せられたピカソが驚嘆の辞を送るなど欧米を中心に評価され、1981年に開催されたイギリスでのインド祭以降、フランス、アメリカ、ソ連、スウェーデン、スイス、日本(`88年)と、世界で行われた大インド祭で、この民俗画は大きな評価を得た。

《ミティラー画を生んだ土壌》

 ミティラー絵画として世界に知られるフォークアートの中心地マドゥバニはビハール州の東北部、ネパールとの国境に近い。ヒマラヤ山嶺の麓であるこの平原地帯は古来神話上の国ミティラー王国と呼ばれていた。アジア最古にして最大の叙事詩『ラーマーヤナ』のヒロイン、シーター姫が生まれた国である。
 また、仏陀やジャイナ教の始祖マハービーラを生んだこの地帯は、『マハーバーラタ』『ラーマーヤナ』の舞台としても知られており、インドの古代史上重要な地として知られる。
 この地で、女性たちの手によって家の土壁を飾る絵画が、3,000年にわたって母から娘へと代々伝承されてきた。


ミティラー美術館の概要

 ミティラー美術館は、市としては世界一の豪雪地帯として知られる十日町市の、池を中心とした濃緑の森にあります。1982年、地域の開発計画に対して、「自然を残したかたちでの文化施設」と言う代替案として、廃校の小学校の木造校舎を利用して開設されました。以来、精神文化を礎とする国際交流の場、世界に向けたオリジナリティの高い文化活動の発信基地というコンセプトのもと、自然・宇宙との深いコミュニケーションを持つ南の国の文化や芸術の紹介、国際交流のための全国的な活動を行っています。特にインドのミティラー画及びワルリー画に関して世界に類をみない質と量のコレクション(1500点)の他、インドから描き手を招へいし、それらの絵画の独創的発展の場となっています。

 十日町でのミティラー画の常設展示の他に、日本各地での移動展の展開や、美術以外にも毎年インドやアジア・太平洋の舞踊や音楽、食文化の紹介など、ユニークな催しを企画実施しています。

展覧会中の催し
○ミュージアムグッズの販売
 ●ミティラー画、ワルリー画の原画、図録、ポストカード、インド雑貨、民族衣装などを販売。

○会場内においてインド人描き手による絵画の公開制作
 ●実際にインドの方が描いているところをお客様に見ていただく事によって、実際に自然の画材使って描くち密な作業工程を体感し、より深い理解を促します。

○国際文化交流としてインド人描き手の指導による絵画体験教室、インド料理教室の実施(会場設定が可能な場合) ●それぞれ、20〜30名の定員で行います。

  ◆絵画体験教室
竹を削った筆と自然から作った絵の具を使い、簡単な図柄をミティラー画の手法で描くことを体験します。
  ◆インド料理教室
野菜だけを使い、数種類のスパイスを調合してカレーや、天ぷ羅、薄焼きのパンなどを作ります。インド料理屋では味わえない家庭料理の体験です。試食会では、インドの食習慣などのお話しも聞け、食を通しての文化交流となります。  

実際に展覧会を開催するための準備

最も基本的な民俗画展の企画経費・内訳については次の通りです。

*経費は応相談

 
Mithila Museum

ミティラー美術館

〒948-0018 新潟県十日町市大池  

Tel:025-752-2396 Fax:025-752-6076

E-mail: info@mithila-museum.com 

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