1998.9.5/1998.12.12

  
11月18日、大池に初雪が降りました!太平洋側ではしし座流星群がおとずれたころです。

18年前大池に流星群があったときのことが、宇宙の森へようこそ に書いてあるので紹介します。

 1980年の8月、110年に一度しか見られないといわれる流星群が大池を訪れたとき、東京の女子中学生のバトンフラワー部の合宿が、僕の所で行われていた。
 北の空に流れ星が出るというので、むしろを敷いて、40人くらいの子どもたちと座って待っていた。少し寒かったのでそれぞれ毛布を掛け、かたずをのんで待つ。その姿は感動的だった。
 まるで音をたてて流れたとみんな思ったほど、長い尾を引いて星がこちらに向かうように降ってきた。子どもたちの歓声が湧きあがる。夜空から抜け出るように、光のきらめきが次々に流れる。3回願いごとをとなえようとがんばる子ども、びっくりしてじっと不思議そうに空を見つめている子ども、みな嬉々としている。この宇宙の花火は、子どもたちに非常に強い感動を与えた。
 流れ星という不思議な星は、いわば宇宙の銀の雨というべきものか。人の魂をたたくものだ。

宇宙の森へようこそ より抜粋

 

大池からの近況・・・ by長谷川 時夫

自分は森に住んで27年になろうとしている。6メートルを越える雪が降り、雪崩が村を襲ったときも、開発計画に反対して村人から汚い言葉や唾をかけられたときもあった。大池の自然の森が残り、壊される予定の小学校がミティラー美術館として生まれ変わり、その美術館のためにインドに50回も訪れたり、全国に展覧会をもって行ったり、国際交流のプロジェクトを推進したり、社会が金融収縮に向かう中で、今年は大型免許を取り、マイクロバスでインドプルリア地方の先住民2名、村民12名、ラージャスターンの吟遊詩人ボーパとボーピ、全員16名を乗せて全国をまわることもした。今年9月だ。エアコンのないバスで、十日町から福岡のアジアマンスまで運転した。窓は開け放たれ、トンネルに入るたびに私のまねをするインドの彼らは窓を閉めたり開けたりで愉快な旅だった。朝8時に大池を出発して、辛抱強い彼らと、招聘主が最もハードな運転をしているので、彼らとの話で、面倒だからそのまま直行して、広島で宿泊しないで、翌日の10時に着いたりした。

今、この文章を朝7時28分に書いていると、外で鳥の声がした。森に入ったころ鳥に声をかけ、やがて近くに呼び寄せることが出来るようになり、それから世界への旅の時に、鳥に呼びかけたりした。ニューデリーの国立の実験校である小学校で授業として子供達とともに庭に座り、近くにいた鳥を呼び、その方法とコミュニケーションを教えたりもしたこともあったが、さっき聞こえた鳥の声は、森に入ったときに聞いた声と同じような「27年前の鳴き声」のように聞こえる。

そのうち「仙人テスト」をこのスペースで世界につなげようと思っている。なかなか実現できないが、それでも進んでいる。1999年の元旦頃、どうだろうか。 

 

 

長谷川 時夫 プロフィール

1948年、浅草向柳原町に生まれる。21歳の頃、前衛音楽グループ <タージ・マハル旅行団> を結成、自然・宇宙と一体化したパフォーマンスを繰り広げる。23歳の頃、一年間にわたってヨーロッパ各地を演奏旅行。帰国後、新潟県十日町市大池へ移住。音楽や絵の制作活動を続ける一方、都会の子どもたちのために森の中でフリースクールを開く。1982年より廃校となった大池小学校の校舎を市より借り受け、ミティラー美術館の設立をはじめ、コスモロジーに根ざした様々な文化活動を展開中。

著書に『宇宙の森へようこそ』(地湧社)『宇宙感応』『宇宙の森の物語』『パッチュラくんと星の仙人』『ヒマラヴァットの詩』(以上自費出版)がある。

 


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