1996.11.30 更新
インド・ビハール州北部の南北をガンジス川とヒマラヤ山麓に囲まれた広い平原地帯は、古来ミティラー王国と呼ばれていました。仏陀やジャイナ教の始祖マハービーラを生み、インド最古の叙事詩「ラーマーヤナ」の舞台としても知られており、全インドや東南アジアの文化に広範な影響を与えてきました。この地において女性たちは、3千年にわたり、母から娘へと壁画を伝承してきました。
灼熱の日照り、長い雨期、洪水、旱魃(かんばつ)、地震、ヒマラヤの極寒の風。自然の脅威に対して、作物の豊穰、夫や子供の幸せを祈って、ミティラーの女性たちは土壁や床に描きつづけてきました。太陽・月の運行にあわせた豊かな儀礼、家庭祭祀のたびに宇宙創造や自然神、ヒンドゥーの神々が、素朴な家の壁を飾るかのように描かれています。
このすぐれた壁画の伝統は、1934年ビハール州を襲った地震の被災状況の調査に訪れたイギリスの行政官W.G.アーチャーのよって報じられていたが、60年代後半、故インディラ・ガンジー首相のブレーンであったププル・ジャヤカール女史が、この地域の女性の自立のために伝統壁画を紙に描くことを奨励したことから、欧米諸国にも広く知られることとなりました。
スーリヤムッキーの木 |
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トゥリシューラー |
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ミティラー美術館
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